日本化學雜誌
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ポリビニルアルコール繊維の延伸に関するX線的研究
望月 隆仁
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1959 年 80 巻 8 号 p. 839-844

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抄録

ポリビニルアルコール繊維を220°,228°,235℃の空気中でいろいろの割合に一定条件で延伸し,延伸繊維の赤道線,子午線上の回折強度をX線デフラクトメーターを用いて測定し,別にX線回折写真をも撮影した。微結晶の繊維軸に平行な面の反射から推定した微結晶の平行性は約100%の延伸までいちじるしく向上するが,それ以.ヒの高延伸ではいちじるしい変化を示さない。赤道線上の回折強度は延伸率の増大とともに増大し,比重の変化と対応した傾向を示す。子午線上で測定した幅広いハローの強度は延伸率の増大とともに低下する。赤道線反射の鋭さを半価幅で測定した。延伸温度が高いほど半価幅は小さく,同一延伸温度の繊維間では約300%延伸まで半価幅が減少するがそれ以上の高延伸で増大する。繊維の結節強度と水中での収縮性は半価幅の変化と類似した変化を示す。これらの事実から延伸機構を考察し,約300%の延伸率前後で二つの異なる変化のうつりかわりがあることを知つた。

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© The Chemical Society of Japan
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