日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
人形峠ウラン鉱床の地球化学的研究
荒木 春視久保 恭輔
著者情報
ジャーナル フリー

1959 年 80 巻 8 号 p. 846-849

詳細
抄録

人形峠ウラン鉱床の第3坑の富鉱部から採取した安山岩質,ピン岩質,古期岩石の各礫,およびマトリックス,それに被フク硫化鉄についてつぎのようなことが明らかになった。1)ウランはリンと同様,礫や被フク硫化鉄よりもマトリックスに多く含まれ,礫のなかでは安山岩質のものよりもビン岩質のに多くなっている。古期岩石の礫ではきわめて少ないようである。2)ウランはリンと同様,IN塩酸との室温処理では必ずしも十分に溶出されるとは限らない。しかし含有されている硫化鉄を硝酸で酸化分解してやれば,ウランはほとんど溶出してくる。3)ウランはリンと同様,硫化鉄の含有量の多い試料ほど多量に含まれている。4)ウランおよびリンが硫化鉄に対して含有されている割合は,礫やマトリックスで高く,被フク硫化鉄に低くなっている。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top