1959 年 80 巻 8 号 p. 862-866
北海道西南部の諸温泉のうちで,鹿部およびその周辺の温泉13泉源について分析結果を示し,湧出機構,化学成分の起源について考察した。鹿部温泉では主成分間の関係などから,Cl型の水とHCO3-SO4型の水とがいろいろの割合で混合して湧出すると考えられ,このことは,臭素,ヨウ素,リチウム,ゲルマニウムなどの微量成分についてみてもよく説明される。化学成分の起源としてはCl型の水は主として火山性発散物として熱と共に供給され,HCO3-SO4型の水は,Cl型の水から分離して行動した炭酸ガス,硫化水素などによるものと考えるに至った。
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