1959 年 80 巻 8 号 p. 871-875
種々の 2 価金属オキシネートのクロロホルム溶液中の吸収スペクトル,わよび 8-オキシキノリン-5-スルホン酸キレートの水溶液中の吸収スぺクトルを 450~300m/μ の範囲にわたり測定した。この波長範囲に現われるクロロホルム溶液中のオキシネートの吸収極大の長波長への移動の順序は Mellor および Maley の安定度系列と完全には一致しない。しかし水溶液中における 8-オシキノリン-5-スルホン酸の 2 価金属キレートの吸収極大の長波長への移動の順序は完全に安定度系列にしたがう。オキキシネートについてはクロロホルム溶液中の,また 8-オキシキノリン-5-スルホン酸キレートについては水溶液中の吸収極大の振動数を横軸にとり,縦軸にはオキシネート, 8-オキシキノリン-5-スルホン酸キレートの水溶液中での安定度定数をとる。8-オキシキノリン 5-スルホン酸のキレートに関してはすべて同一直線上に存在する。オキシネートに関しては銅-, 鉛-オキシネート(平面構造をとりdsp2が結合をする),コハルト-,マンガン-オキシート(平面構造であるが八面体溝造 d2spが3 結合をとる傾向が強い),およびニッケル-,亜鉛-,カドミウム-,マゲネシウム-,カルシウム-,オキシネート(正四面体構造 sp3 あるいはイオン結合をよする)の 3 群のオキンネートがそれぞれ勾配の異なった直線上に存在する。クロロホルム溶液中でオキシネートが安定度系列にしたがわないのは,溶媒(クロロホルム)による影響により金属オキシネートの構造が異なって来るからであろう。
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