日本化學雜誌
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臭化水素酸によるビスマスの紫外分光光度定量法
山本 勇麓
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1959 年 80 巻 8 号 p. 875-878

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抄録

臭化水素酸を試薬としてビスマスを吸光光度法により定量する方法を研究した。
まず,種々の濃度の臭化水素酸酸性においてビスマス塩の吸収スペクトルを詳細に検討し,ビスマスは高濃度の臭化水素酸酸性溶液中において 256 および 375mμ を極大とする二つの吸収帯を示すことを認めた。つぎに試料中の臭化水素酸濃度を 1:1 に規定し,吸光度は両極大波長で測定するという条件の下で定量法の基礎を検討した。いずれの波長においても検量線は直線性を示し,その方向係数は 256mμでは 0.2248, 375mμ では 0.0839 であり,吸光度の温度係数それぞれ 0.0008/℃ (375mμ),0.0022 (256mμ)/℃ であった。鉄,鉛,スズおよびアンチモン等が妨害する。本法の特長としては,操作が簡便であり,感度が比較的高く,精度も良いこと等であるが,ビスマスの類縁元素が妨害することが欠点である。

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