日本化學雜誌
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ジヒドロ-1,4,5,8,9,10-ヘキサアザアントラセン-2,6-ジカルボン酸およびその誘導体の合成
野口 澄夫
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1959 年 80 巻 8 号 p. 945-947

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抄録

ジヒドロ-1,4,5,8,9,10-ヘキサアザアントラセン-2,6-ジヵルボン酸(VII),そのジエチルエステル(VIII),ならびに1,10-ジヒドロ-1,4,5,8,9,10-ヘキサアザアントラセン(X)を合成し,VIIはとくにAg+の検出試薬として優れていることを発見した。すなわち2,3-ジクロルキノキザリン(II)と2,3-ジアミノキノキザリン(III)とを溶融縮合させこるとによりフルオルビン(1V)を得,VIを過マンガン酸カリウムで酸化することによりVIIが得られた。VIIを脱炭酸することによりXが得られた。つぎにVIIに対する各種金属イオンの定性的反応を調べた結果pH1においてAg+およびCu2+のみが沈殿もしくは呈色を示した。Cu2+が1000γ/ml,以下の場合にはVIIはAg+に対する特殊試薬といえる。

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