日本化學雜誌
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鉄鋼中の微量元素に関する研究(第8報) 鉄鋼中の炭化ジルコニウムについて
成田 貴一
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1960 年 81 巻 2 号 p. 247-249

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抄録

ジルコニウムと炭素を含む鉄鋼をうすい還元性の鉱酸で処理すると, 炭化ジルコニウムはとけずに定量的に不溶性の残留物中に残る。この炭化物は基本組成が ZrC の berthollide 形化合物であり, 鉄鋼の加熱処理によって量的変化をする。その変化は見掛け上 ZrC〓Zr+Cのように可逆的であり, 鉄に対する炭化ジルコニウムの平衡濃度積 [Zr]% [C]% は炭素量が約 O.1% の場合 1300°, 1200°, 1100°, 1000° および 900℃ においてそれぞれ 7.6×10-2, 3.3×10-2, 1.2×10-2, 4.1×10-3 および 1.1×10-3 であり, 炭素量が約 0.3% の場合はそれぞれ 2.9×10-2, 1.2×10-2, 4.7×10-3, 1.5×10-3 および 4.2×10-4であり, また炭素量が約 0.5% の場合はそれぞれ 1.7×10-2, 7.4×10-3, 2.8×10-3, 9.2×10-4 および 2.5×10-4 である。

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