1960 年 81 巻 2 号 p. 298-301
酢酸亜鉛または活性炭単独ではアセチレンが化学吸着しないし, また酢酸ビニル合成能もないことから担体たる活性炭の役割りについて検討の必要を認めた。シリカアルミナ, 活性アルミナ, シリカゲルのような大表面積をもつ担体に酢酸亜鉛を担持させても, アセチレンの化学吸着, 酢酸ビニル合成に対してまったく活性をもたないか, またはごくわずかしか活性を示さないこと, および活性炭表面の構造のみを変えたものに対して酢酸亜鉛の吸着量も異なり, アセチレンの化学吸着の速度定数が大きく異なることから, 活性炭が酢酸亜鉛に対し, 単に表面積を提供しているだけでなく, むしろ酢酸亜鉛と化学的に結合してこれをエネルギー的に活性化していることを証明した。
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