日本化學雜誌
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核置換α-プロムアシルフェノンとシアン化カリウムとの反応
鈴木 喬矢野 昭岡田 鉦彦石井 義郎
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1960 年 81 巻 2 号 p. 301-305

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抄録

いろいろのp-およびm-置換 α-プロムブチルフェノンおよびアセトフェノン, XC6H4COCHBrR (R=C2H5, X=H,m-NO2,p-Cl, m-Cl,p-CH3,mOCH3,p-OCH3,m-OCH3,p-OH,m-OH; R=H, X=H,p-Cl,m-Cl,p-CH3,m-OCH3,p-OH) を合成し, これとシアン化カリウムとの反応を速度論的に検討した。
76vol%エタノール中(ブチルフェノンの場合)および 80vol% エタノール中(アセトフェンンの場合)における反応は,いずれもプロムケトンおよびシアンイオンに関して,それぞれ 1 次となる。α-プロムブチルフェノン・α-プロムアセトフェノンおよびそれらのすべてのm-誘導体, p-クロノセおよびかメチル誘導体1こおいては, 2次速度定数 k2 と Hammett の置換基定数 σ との間に, 良好な直線関係が認められ, その反応定数はそれぞれρ=+1.67(ブチルフェノン), +0.75(アセトフェノン)となる。これに反してかメトキシおよびp-オキシ体はいちじるしく反応速度が小さく, Hammett 則にしたがわない。このような異常性は反応機構の相違によるものと考えられる。すなわち正常な反応ではエポキシニトリルを生成するが, 異常反応における主生生物はケトニトリルである。

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