日本化學雜誌
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界面活性剤水溶液-水銀界面の吸着層について (第7報) 長鎖アニオンの吸着層に対するいろいろなカチオンの影響
江田 啓一
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1960 年 81 巻 5 号 p. 689-692

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抄録

硫酸リチウム, 硫酸カリウム, 硫酸マグネシウム, 硫酸アルミニウムを過剰にふくむ, アニオン活性剤 (オクチル, デシル, およびドデシル硫酸ナトリウム) 水溶液-水銀界面の微分容量が測定され, いろいろなカチオン (Li+, Na+, K+. Mg2+, Al3+)が, 長鎖アニオンの吸着層にどのような影響をおよぼすかが論ぜられた。一定温度 (30℃) でデシル硫酸イオンの吸着層に相分離を起させるに必要なカチオンの濃度は Li+ > Na+ > K+ の順となり, この順列は各イオンの水和度のそれと同じである。多価のカチオン Mg2+, A13+ は低濃度で影響をおよぼすが, 飽和に近い濃度でも,水銀の陰極面における微分容量のピークが二つにわかれることがなく, すなわち, 吸着層が二つの相に分離する証拠はえられなかった。オクチル硫酸イオンの脱着ピークは飽和濃度にちかい硫酸カリウムが共存しても, 二つにわかれる傾向はなく, ドデシル硫酸イオンの脱着ピークは 1N の硫酸リチウムの共存下ではっきりニつにわかれることが示された。

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