日本化學雜誌
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高分子量アミンによるイオン交換抽出の研究(第3~4報) (第3報)アルミニウム,チタン(IV),鉄の抽出および鉄とアルミニウム,鉄とチタンの分離
中川 元吉
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1960 年 81 巻 5 号 p. 747-750

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抄録

アルミニウム,鉄とチタンの分離高分子量アミンによる種々の金属イオンの溶媒抽出の基礎実験として,第ニアミン,N-ドデシニルトリアルキルメチルアミン(AmberliteLA-1)の10%ケロシン溶液によりアルミニウム,チタン(IV),鉄(II),鉄(III)の塩酸,硫酸溶液からの抽出について検討した。
アルミニウムは塩酸,硫酸溶液いずれからも抽出されない。
チタン(IV)は塩酸濃度8mol/1以上ではわずかに抽出される。硫酸溶液からはほとんど抽出されない。
鉄(II)は塩酸溶液から抽出されるが抽出率は鉄(III)にくらべて小さい。硫酸溶液からは抽出されない。
鉄(III)は6mol/l以上の塩酸溶液から100%抽出されるが鉄の量が増加すると鉄を抽出した溶媒層が2層にわかれ抽出率もやや減少する。硫酸の共存は鉄の抽出を妨害しないが,硝酸の共存は鉄の抽出率をやや減少させる。
硫酸溶液からの鉄(III)の抽出は硫酸濃度0.25mo1/l以下で抽出され,0.05mol/lで抽出率は89%に達する。
以上の結果を用いて,鉄とアルミニウム,鉄とチタンの分離を行ない良い結果を得た。

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