日本化學雜誌
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アミノ酸の分割(第7報)パパインを用いたアニリド不斉合成によるDL-フェニルアラニンおよびDL-γ-フェニル-α-アミノ酪酸の光学的分割
内尾 材
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1961 年 82 巻 4 号 p. 508-512

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抄録

DL一フェニルアラニンおよびDL-γ-フェニル-α-アミノ酪酸のパパインーアニリド法による光学分割のため,まずそれぞれ5種のアシル誘導体(アセチル,n-ブチリル,n-カプイル,ベンゾイル,カルボベンゾキシ)についてアニリド合成速度を第5報と同様にして追求した。その結果のうちでカルボベンゾキシ-DL-γ-フェニル-α-アミノ酪酸では3時間以上の酵素反応でD-アニリドも生成することを認めた。つぎに示すアシル-DL-アミノ酸について分割を行なった。 得られた各アミノ酸の異性体の収率および比旋光度[α]28D(フェニルアラニンではc=2.0,水;γ-フェニル-α-アミノ酪酸ではc-10,1N塩酸)はつぎのとおりである。アセチル-DL-フェニルアラニン:L(76%,-34.7°);D(66%0+34.2。)。一ブチリル-DL-フェニルアラニン:L(81%,-34,2°);D(73%,+34.4°)n-カブロイル-DL-フェニルアラニン;L(70%,-34.2°);D(62%,+33.8°)アセチル-DL-フェニル-α-アミノ酪酸:L(85%,+48.3);D(83%,-48.0°)。n-ブチリル-DL-γ-フェニル-α-アミノ酪酸;L(84%-48.9°);D(74%,48.4°)。n-カプロイル-DL-γ-フェニル-α-アミノ酪酸;L(72%,+48.7°);D(58%,-48.50°)。

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