日本化學雜誌
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1-プロム-2-メチル-2-イミダゾリン臭化水素酸塩とアミンとの反応
土屋 智明
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1961 年 82 巻 8 号 p. 1045-1049

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抄録

アミン類に対する1-プロム-2-メチル-2-イミダゾリン臭化水素酸塩(NBI)の反応性を検討する目的で実験を行なった。第一アミンとしてはアニリンなど3種の芳香族アミンを選び,エチルアルコール中あるいは四塩化炭素中で反応させたところ,それぞれ相当する核臭素化物を得た。第二アミンとしてはジフェニルアミンなど5種を選びエチルアルコール,四塩化炭素および酢酸ナトリウム・酢酸溶液中で反応させたところ,窒素にフェニル基のあるものは核臭素化物を生成し,その他はそれぞれ相当する酸化生成物と対応する第一アミンとを得た。第三アミンとしては11種を選び0エチルアルコールおよび四塩化炭素中で紫外線照射下あるいは過酸化ペンゾイル(BPO)を触媒として使用するなどいろいろの条件で反応させたところ,NBSと同様窒素にフェニル基を有するものはフェニル核が臭素化され,その他のものはいずれも酸化作用が起り,それぞれ相当するアルデヒドと対応する化合物あるいは第二アミンを得た。以上のようにアミン類に対してNBIは窒素に芳香核の結合する場合は臭素化作用あるいは臭素化作用と酸化作用を示し,その他の場合には酸化作用のみを示し,第三アミンについては収率はNBSにくらべ優るとも劣らない結果を得た。

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