日本化學雜誌
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2,2'ジピリジル鉄(ll)錯塩を指示薬とするヒドロキノンのセリウム滴定法
酒井 堂兆
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1962 年 83 巻 10 号 p. 1078-1079,A70

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抄録

ヒドロキノンを2.2'-ジピリジル鉄(ll)錯塩を指示薬とし,セリウム(IV)塩で直接酸化滴定する場合の条件を検討した。0.05Nセリウム(lV)塩を用いたとき,硫酸酸性がもっともすぐれ,20°~40℃で,終点時の硫酸濃度2N,0.025m01/l指示薬0.05ml添加の場合が最適滴定条件であった。この条件下で,55mgヒドロキノンを平均誤差±0.02%で定量できた。0.05ml指示薬が0.05Nセリウム(lV)塩0.04mlを消費し,この量だけ補正を要する。逆滴定の可能性も示された。この条件で,工業用硫酸を用いても±0.1%以内の誤差で定量でき,不純ヒドロキノンも精度よく定量された。塩酸,過塩素酸,硝酸および酢酸酸性の場合についても実験を行ない結果を比較した。27~138mgヒドロキノンにつき,本法とフェロインを指示薬とするセリウム塩法,重クロム酸塩法,バナジン酸塩法およびヨウ素法との比較を試み,本法はフェロインを指示薬とするセリウム塩法に匹敵する精度をもち,ともにすぐれ後法よりやや安価ですむことを確かめた。

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