日本化學雜誌
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2(2-ピリジルアゾ)-4-メチルフェノールと金属イオンとの反応
中川 元吉和田 弘子
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1962 年 83 巻 10 号 p. 1098-1102,A70

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抄録

PANのβ-ナフト-ルをρ-クレゾ-ルに変えた2-(2-ピリジルアゾ)-4-メチルフエノール(PAC)を合成し,酸解離定数,金属イオンとの反応,金属キレートの性質などについて検討し,PACを分析試薬として考察した。PACは多くの金属と反応し青~紫め錯体をつくる。錯体め多くは水溶性であるが,クロロホルム,アミルアルコ-ルなどの有機溶媒にもよく抽出される。これらの呈色反応は鋭敏であり,PACは比色試薬,金属指示薬として有望であるが,とくに試薬と金属キレ-トが水溶牲である点,遊離の色素と金属キレ-トの呈色が異なる点で金属指示薬としてはPANやPARよりすぐれており,銅,姫鉛,鉛,カドミゥムをEDTAで滴定した場合には,当量点で紫より黄の鋭敏な変色が見られた。

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