1962 年 83 巻 10 号 p. 1130-1134,A72
ジアリルエーテルをパラジウム-炭-を用いて接触還元を行ない,ガスクロマトグラフィーによりアリルプロピルエーテル,ジプロピルエーテル,1-プロパノール,プロピレン,およびプロパンのほか,アリルアルコール,アクロレイン,およびプロピオンアルデヒドが生成することを確認し,ジアリルエーテルは水素添加のほか水素化分解を起すことがわかった。同様にしてアリルベンジルエーテルの接触還元を行ない,ペンジルプロピルエーテル,プロパィール,およびトルエンのほか,ベンジルアルコール,アリルアルコール,プロピレン,ヲロパン,およびプロピオンァルデヒドが生成することを確認し,アリルベンジルエーテルは水素添加のほかアリル基がきれる水素化分解ならびにベンジル基がきれる水素化分解を起すことがわかった。
ジベンジルエーテルは水素化分解を起しにくい。またアリルベルジルエーテルの場合には酸の添加はベンジル基がきれる水素化分解よりもアリル基がきれる水素化分解をいちじるしく増加した。
アリル基とベンジル基ではアリル基の方が水素化分解を起しやすいことが明らかである。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。