日本化學雜誌
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N-サリチリデン-1-アミノ-2-ナフトールによる銅の分離定量
飯盛 喜代春
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1962 年 83 巻 4 号 p. 450-455,A29

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抄録

前報に引きつづき,サリチルアルデヒド誘導体の一つ,N-サリチリデン-1-アミノ-2-ナフトールと銅(II)イオンとの反応を検討した結果,本試薬も銅(II)イオンと特異的に反応することがわかった。本試薬と銅との錯化合物は,難溶性の沈殿となるので,これをロ別し,沈殿は2Nの熱硫酸で分解して溶かし,煮沸してサリチルアルデヒドを除去する。この操作中に錯化合物の分解生成物である1-アミノ-2-ナフトールは酸化されやすいので,1,2-ナフトキノンに完全に変化する。生成した1,2-ナフトキノンの量を282mμの波長における吸光度を測定して求め,これから反応した銅イオンを定量する。このようにして銅の0.05~0.50mgの範囲で満足な結果を得た。妨害イオンとしてはニッケル,コバルトなど多量(銅の3倍以上)共存する場合は妨害する。他金属はほとんど妨害しない。

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