1962 年 83 巻 4 号 p. 447-450,A29
前報に引きつづいて,サリチルアルデヒド誘導体の一つとして,N-サリチリデン-1-(アミノメチル)-2-ナフトールと銅(II)イオンとの反応を検討した結果,本試薬も銅(II)イオンに対して特異的に反応することがわかった。本試薬と銅との錯化合物は,難溶性であるので,これをロ別し,2N塩酸で分解して溶解し,分解生成物の1-アミノメチル-2-ナフトールの吸光度を276mμで測定してその量を求め,これから反応した銅を間接的に定量した。妨害イオンは少なく,ニッケル-コバルトなどは銅の量の2倍共存しても影響しない。銅の定量範囲は0.05~1.00mgである。さらに錯塩を分解したのち,銅をEDTA試薬によるキレート滴定によっても定量できるし,満足すべき結果を得た。
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