1962 年 83 巻 6 号 p. 720-724,A45
酢酸一酢酸ナトリウム緩衝溶液中でビスマスのNTA錯塩は2段のポーラログラフ波を与える。一方,分光光度法による研究の結果,ビスマスとニトリロ三酢酸(NTA)の結合比が1:1の錯休の他に1:2の錯休も生成されることがわかり,ポーラログラフ波の第1波は1:1の錯体の還元によるものであり,反応電流の性質を持つことが明らかとなった。したがって,BiX23-→BiX+X3-(H3X=NTA)なる反応が律速段階であると考えてその速度定数を求めた結果,1.43×103sec-1となった。この2種の錯体の間の平衡定数を分光光度法により測定すると,log[BiX23-]/[BiX][X3-]=9.54である。
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