1965 年 86 巻 2 号 p. 219-224
接触還元におけろ触媒の選択性を究明すろ目的で,触媒面にどのような状態で吸着されても立体障害の起らない光学活性α-メチルスチレンオキシド(IVa)およびα-エチルスチレンオキシド(IVb)を合成し,種々の触媒および種々の添加物を加えた触媒で接触還元した結果,ニッケルわよびコバルト触媒では立体配置を保持した2-フェニル-1-プロパノール(IVa)または2-フェニル-1-ブタノール(IVb)を過剰に生成し,パラジウムおよび酸化白金触媒では反転したVIaまたはIVbを過剩に生成した。このことは触媒金属の酸素に対する吸着力の差により異なる立体的吸着状態で多く反応すうためと考えられ,ニッケルとパラジウムは酸素に対する吸着力が異なるという前の考えを支持している。
また,ニッケル,コパルト,パラジウム-炭触媒に水酸化ナトリウムまたは塩化セシウ,ヨウ化カリウムなどの中性塩冷添加するといずれも反転生成物を増加する傾向を示した。このことから、これら添加物は触媒上で試料の酸素を触媒に吸着れ難くする作用をしているものと推定した。
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