放電電流と化学反応との関係を明らかにするための基礎的研究として,熱電対型電流計によって測定した放電電流をロ波回路により低周波部に高周波部に分離し,ついで高周波部に対しては定性的ではあるが各周波帯域に分配さるべき電流値の推定を行なった。
結果は主としてアルゴン気体を例にとって検討し, 1) 高周波電流の実効値はヘリウムの場合を除き低周波電流の実効値よりはるかに大きいこと。 2) 整流方式によって示される電流の平均値は,熱電対型電流計での全電流の実効値にくらべ相当小さく,むしろ低周波電流の実効値とほぼ一致することを認めた。
したがって化学反応研究の場合,整流方式で測定しだ放電電流の平均値には,高周波電流がほとんど表われていないことを考慮する必要がある。しかしアルゴン,ヘリウムなど不活性ガスを雰囲気としだ水溶液の反応研究では,高周波電流と反応との間に密接な関係は見にだし得ず,むしろ低周波電流測定に意味があることを明らかにした。
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