日本化學雜誌
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塩化金(III)酸水溶液の放射線分解と生成する金コロイドの性質
藤田 斉伊沢 正実山崎 秀郎
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1965 年 86 巻 7 号 p. 723-728

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抄録

塩化金(III)酸水溶液にϒ線を照射すると還元反応が起きる。9300-9800ϒ/minの高線量率で照射して,金をコロイド状に析出させることができた。溶液の吸光度,濁度,比電導度を測定して,この反応過程を追った。 G(-Au(III))cquivalent=2.13であり,塩化金(III)酸の初濃度が1×10-4-1×10-3mol/ιの範囲では,濃度依存性は認められなかった。溶液中の酸素の有無には関係せず,また,見かけの活性化エネルギーは約1kcal/molであった。これらの結果から,塩化金(III)酸水溶液を105rのオーダーの高線量用化学線量計として用いる可能性について検討を加えた。

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