日本化學雜誌
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海藻中の亜鉛含有量
石橋 雅義藤永 太一郎山本 俊夫藤田 哲雄渡部 清勝
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1965 年 86 巻 7 号 p. 728-733

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抄録

和歌山,京都,兵庫,鹿児島など各地産の海藻試料50種107個と,ビワ湖産淡水藻試料8種11個について,その含有する亜鉛をポーラログラフ法を用いて定量した。
海藻乾燥体1g中の亜鉛含有量は,最低値オオバモクの0.016mgから最高値ウミトラノオの0.680mgの範囲にわたっていた(平均値は0.150mg)。一般的特徴としては,褐藻類では種類により含有量のとくに多いものと,とくに少ないものとに顕蓍にわかれているが,緑藻類はいずれも比較的多く含み,反対に紅藻類は比較的含有量が少ない。ビワ湖産淡水藻中の亜鉛は海藻にくらべてその含有量が多い。海藻試料総数の約60%以上が0.5から5の範囲の鉄対亜鉛の原子比であるのに対して,淡水藻ではこの比が10をこえるものが多い。

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