1965 年 86 巻 7 号 p. 741-743
著者らは無色のアニオンを有色の金属キレートカチオンとともに有機溶媒に抽出し,有機相における金属キレートの吸収スペクトルを測定することにより当該アニオンを定量する方法を系統的に研究しており,本報はその一部である。2, 2'-ビピリジル-鉄(II)キレートは微量の過レニウム酸とともにニトロベンゼンに抽出され, 528mμに吸収極大を示す。この現象を利用するレニウムの定量法を検討した。pH2-8の範囲にわたり,モル濃度でキレートが過レニウム酸イオンの11倍以上あれば,一定,かつ最大の抽出が得られる。4×10-6-3×10-5mol/lの範囲でBeer則にしたがい,5mgのモリブデン,4mgの久グステンの共存は定量を妨害しない。
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