日本化學雜誌
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3-メチルクマロン誘導体とカルボニル化合物との反応
安部 悌四郎清水 隆八
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1966 年 87 巻 8 号 p. 870-876

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抄録

6-メトキシ-3-メチルクマロンは,酸の存在下,種々なα,β-不飽和カルボニル化合物と反応して相当するβ-(2-ベンゾフラニル)カルボニル化合物(I)を与える。とくにアクリル酸エチルの場合は相当する1のほかに,2,2-ジ(エトキシカルボニルエチル)-3-メチレンクマラン(III)をも与える。このような反応条件では,クマロンの二量体が生成し,単量体と平衡状態にあることがわかった。3-メチルクマロンおよび3,5-ジメチルクマロンも同様に相当するIを与えるが,これらは6-メトキシ-3-メチルクマロンにくらべて活性がかなり劣り,6位のメトキシ基が2位の活性に大きい影響を与えることがわかった。
これらのクマロンは,いずれも簡単なアルデヒドケトンと縮合して,それぞれ相当するα,α'-ジベンゾフラニルメタン誘導体(II)をほとんど定量的に与える。

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