日本化學雜誌
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炭酸鉛の熱分解速度
古茂田 瞭三西 泰英鹿野 松太郎
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1967 年 88 巻 10 号 p. 1038-1044

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抄録

炭酸鉛粉末の熱分解速度に関する研究を, 190°~400℃の範囲のある一定温度で, 窒素ガス流量0. 5l/min以上, 1atmのもとで熱テンビンを用いて行なった。本実験条件では, 炭酸鉛粉末の熱分解はつぎの2段の分解過程からなることがわかった。
第1段2PbCO3 → PbO・PbCO3 + CO2
第2段PbO・PbCO3 → 2PbO (Litharge) + CO2
このことはX線回折結果からも確かめることができた。分解率-分解時間の関係は, それぞれ次式で与えられる。
第1段1- (1-F1) 1/31t1
第2段F22t2
第1段においては熱分解速度は未分解反応物相/分解生成物相間の界面化学過程によって律速され, 第2段においては熱分解速度は一定であり, 分解反応は気相境膜内における生成二酸化炭素ガスの移動過程によって律速されているものと思われる。また, κは平衡解離圧Peと比例関係にあると考えられる。なお, 見かけの活性化エネルギーはそれぞれ25. 1, 30. 1kcal/molであった。

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© The Chemical Society of Japan
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