1968 年 89 巻 12 号 p. 1214-1216
ビスマス(III)イオン過剰の状態で,4.0~0.20N過塩素酸酸性において,ビスマス(III)はブラボノール-2'-スルホン酸と反応し,その吸収曲線は342mμ に等吸収点が見られる。このさい生成するキレートの組成は1:1で,その安定度定数はk1=2.1×1012,log k1=12,3(μ=0.50,25.0士0.1℃)であった。試薬過剰では過塩素酸0.20NからpH5.0までの間では1:2キレートが生成し,その安定度定数としてk2=1.3×108,log k2=8.1がえられた。pH6.0~3.0で生成するキレートは組成不明であるが,モル吸光係数が21400(370mμ)で一定の吸光度がえられ,検量線は原点を通る直線となるから,最低0.17μg/mlのビスマスの定量に利用できる。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。