日本化學雜誌
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2,2'-ジチオ二安息香酸のポーラログラフィー
丸山 正生岡部 好雄
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1968 年 89 巻 12 号 p. 1223-1229

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抄録

2,2'-ジチオ二安息香酸の交流およびポーラグラフ的挙動をアルカリ液およびBritoRobinson緩衝溶液中で検討した。
2,2'-ジチオ二安息香酸はpH4~12およびアルカリ溶液中でただ一つの直流波を示し,交流ポーラログラフ的にはpH8以上で一段波,pH8以下で二段波の交流波を示す。直流波は拡散律速によ波で,膿度と波高との間に直接関係があった。交流第1波は直流波に波で,,交流第2波はテンサンメトリー波であることがわかった。膿度と波高との間に直接関係があった。交流第1波は直流波に対応する波で,交流第2波はテンサンメトリー波であることがわかった。またpH8以上での唯一の交流波は還元波とサンメトリー波とが重なった波である。交流波は1波,2波とも濃度と波高との関係はLangmuirの吸着等温線の形を示した。
還元波は二電子移行による2-メルカプト安息香酸を形成す波であるが,吸着過程を含んでいるため非可逆的である。全体還の電極反応としては,(1)式のように表わされるが,電位および電極反応速度を決定する段階はpHが7より小の場合は(4)式, 7より大の場合は(5)式の反応によるものであることがわかった。

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