日本化學雜誌
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原子吸光分析法によるテルルの定量
武者 宗一郎宗森 信中原 武利
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1968 年 89 巻 5 号 p. 495-498

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抄録

10cmのスロットバーナーを備えたPerkin-Elmer社製303型原子吸光分析装置を用い,空気-アセチレン炎中にテルルを含む水溶液を噴霧してテルルの原子吸光を測定した。その測定の最適条件は波長2142.7Å,中空陰極ランプ電流12mA,スリット幅0.3mm,空気流量21l/min,アセチレン3 .8l/min,光源光束の炎中での位置,バーナーヘッドから約13mm,供試液の噴霧量5ml/minであった。テルルの濃度範囲0~25ppmにおいて検量線は良好な直線性を示し,測定値の標準偏差パーセントの平均は2.3%であった。テルル水溶液に対して感度は0.2ppm/1%吸収であった。0.5~6Nの塩酸および硝酸硫酸, ,0.1~2Nのリン酸,過塩素酸,およびジルコニウム(IV),スズ(II)を除くほとんどの金属元素はテルルの原子吸光に干渉しなかった。銅スライムおよびイオウ中のテルルの定量に原子吸光分析法を応用して満足すべき結果を得た。銅スライムは希硝酸に溶かし,イオウは臭素,濃硝酸で加熱溶解した。得られた溶液を直接炎中に噴霧してテルルの原子吸光を測定した。

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