日本化學雜誌
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メチルチモルブルーによるトリウム(IV)の溶媒抽出-吸光光度定量
小友 允
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1968 年 89 巻 5 号 p. 503-506

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抄録

トリウム(IV)は弱酸性溶液中でメチルチモルブルー(MTB)と反応して青色のキレートを生成し,1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)の存在で1-タノールで抽出できるので,これを利用したトリウム(IV)の新しい光度定量法を確立した。ブタノール相に抽出されたキレートは594mμ に吸収の極大をもち,長時間安定である。抽出液の吸光度は水相のpHを2.5~3.0にしたときに最大かつ一定になる。トリウム(IV)3~30μgの範囲で有機相の吸光度と水相中のトリウム(IV)濃度との間によい直線関係が得られる。抽出キレートのモル吸光係数は590mμで約66000であり,また,吸光度0.001に対する感度は0 .0036μg/cm2である。つぎに抽出種の組成について検討した結果,[Th(MTB)2]4-・[(DPG)]4+のようなイオン対として抽出されていることを推定した。

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