日本化學雜誌
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リナロールのホトヒドロペルオキシドから種々のテルペン化合物への誘導
松浦 輝男佛願 保男
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1968 年 89 巻 5 号 p. 513-516

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抄録

(―)-リナロールの光増感酸素化反応で得られるホトヒドロペルオキシドの混合物〔2〕と〔3〕を高度真空蒸留で精製した。これらの還元によって得られるジオール〔4〕と〔5〕〔5〕(〔5a〕と〔5b〕の混合物)を単離し,種々の反応を行なった。〔4〕は無水酢酸とピリジンでアセチル化されないが,〔5〕はモノアセチル体(〔6a〕と〔6b〕の混合物)を与える。〔5〕の酸化マンガン(IV)酸化で得られる〔7〕は容易に脱水されて〔9〕を生成する。また〔5〕を酸処理すると〔10〕を与える。〔4〕は酸処理または加熱によって脱水しトリン〔11〕になる。〔11〕は光化学反応でシクロブテン体〔12〕に異性化する。〔2〕と〔3〕の混合物を酸処理すると,〔5〕と〔10〕のほかエに既知のγ-ラクトン〔13〕が生成する。

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