日本化學雜誌
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非イオン性界面活性剤非水溶液による水の可溶化
今野 紀二郎大泉 昭伊勢 恒夫北原 文雄
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1970 年 91 巻 10 号 p. 916-920

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抄録

非イオン性界面活性剤非水溶液による水の可溶化機構を調べるために,CgH19gC6H4O(CH2CH2O)nH(1),(C6H1330CH2)2CHO(CH2CH2O)nH(2)および(C8H17OCH2)2CHO(CH2CH20)nH(3)によって可溶化された水の蒸気圧の温度変化を,とくに可溶化の初期段階に注目して測定した。そして,これらの測定結果から,Clausius-Glapeyronの式を用いて,水の可溶化熱の値を算出し,つぎのような結果が得られた。 (1)水の可溶化熱は,一般にどの活性剤溶液においても水の凝縮熱の値よりも小さかった。(2)活性剤のポリオキシエチレン鎖長による水の可溶化熱の変化は,(1)の場合よりも(2) および(3)の方がいちじるしかった。(3)水の可溶化熱の変化は,活性剤の炭化水素基の大きさによらなかった。(4)(1) の溶媒の違いによる可溶化熱の大きさは,シクロヘキサン>テトラクロルエチレン>ベンゼンの順になった。

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