日本化學雜誌
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炭酸カドミウムの熱分解におよぼす雰囲気の影響
村石 和夫
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1970 年 91 巻 2 号 p. 122-126

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抄録

炭酸カドミウムの等温熱分解速度を,ヘリウム,アルゴン,空気,窪素,酸素,二酸化炭素(10,380と760mmHg)および水蒸気(10mmHg)の存在のもとで270~330℃(ただし二酸化炭素は350~400℃)の温度範囲において熱量法により測定したeその結果分解速度は気相圧10mmHg,温度290℃においてはヘリウム,水蒸気,アルゴン,空気,酸素,窒素,二酸化炭素の,岡で380および760mmHgではヘリウム,空気,窒素,酸素,アルゴンの順に低下し,また分解曲線は270と280℃では温度自触反応の誘導期を示したが.290~330℃の温度範囲では事実上誘導期をもたず加速期と終期とを示した。全分解範囲にわたってあてはまる速度式は見いだされなかったが,各気体とも測定温度および気相圧の範囲について,分解反応初期には幕法測α-ktm(ここにαは時聞tにおける分解率,kおよびmは定数)が,加速期ならびに終期にはdα/dtα2/3(1-α)の式が適合した相中。各気の等温分解の活性化エネルギーは,大体雰囲気による熱分解率の低下の順にしたがって増加する傾向があり気相,また各気体とも圧が大むいと活性化エネルギーは大きい値を示した。

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