日本化學雜誌
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アミン塩基中における1,3-ジカルボニル化合物のアシル化反応
須天 正和村田 嘉郎市川 克彦
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1970 年 91 巻 2 号 p. 162-167

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抄録

アセト酢酸エチル,アセチルアセトンをピリジン,2-ピコリン,2,6-ルチジンなどのアミン塩基中で酸塩化物によってアシル化して,ニつの反応中心のいずれでアシル化が起こるかを検討した。反応温度が120℃の場合にはO-アシル化物とO-アシル化物の両者が生成したが分解反応のため収率は低かった。0℃の場合にはどのアミン塩基も選択的にO-アシル化物のみを与え,ピリジン,トリエチルアミンでは収率70~85%,2-ピコリンでは57~ 67%,2,6-ルチジンでは43~54%であった。反応の活性種は〓N-CORであり,反応を支配するのはRおよび窒素原子のまわりの立体因子であると思われるMcEwenらの提唱した中間体(3)は否定された。反応温度が120℃の場合にのみO-アシル化物からC-アシル化物への転移がみられた。

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