日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
オイゲノールおよびイソオイゲノールと塩酸アニリンとの反応
藤田 安二藤田 真一岡林 徹
著者情報
ジャーナル フリー

1971 年 92 巻 10 号 p. 865-867

詳細
抄録

オイゲノールと塩酸アニリンを油浴の温度200°C以上に加熱すれば容易に脱アリル反応と脱メチル反応とが起こって,グアヤコールとカテコールとができ,このさい少量のフェノールをも生じる。
脱離したアリル基はアニリンにN-置換し,さらに複雑な転位反応ののち,p-プロピルアニリンを生じ,脱メチルによって生じたメチル基はアニリンおよびp-プロピルアニリンにN-置換を起こす。
イソオイゲノールもまったく同様の反応を起こすが,オイゲノールよりもはるかに反応性に富む。
これらの反応は生体内および製造加工中におけるプロピルベンゼン系フェノールエーテル類の分解反応の一つのモデルともなる。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top