日本化學雜誌
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酢酸ドデカトリエニル類の合成(その2)
森田 良美今木 直服部 三郎
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1971 年 92 巻 10 号 p. 861-865

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抄録

2,7-オクタジエニルアセタート〔1〕とブタジエンの反応において,ロジウム触媒の活性を増大させて酢酸ドデカトリエニルをより有利に合成することを目的として種々の検討を行なった。まずロジウム触媒におよぼす塩酸の効果を検討し,Rh1グラム原子あたり少なくともCl2グラム原子が必要であることがわかった。また反応の進行とともに触媒活性が低下していく原因のーつは2,6-オクタジエニルアセタート〔5〕および反応生成物〔2〕,〔3〕(いずれも前報に述べたn=2の非共役ジエン)による被毒であろうと推論した。さらに,反応系に四塩化炭素を存在させると触媒活性がいちじるしく増大することを見いだした(四塩化炭素は他のオレフィンとジエンのロジウム触媒反応にも有効であった)。このほかエチルアルミニウムクロリド類,およびトリメチルクロルシランもいちじるしい添加効果があった。四塩化炭素系で水素を共存させるとさらに好結果が得られた。

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