1972 年 1972 巻 4 号 p. 766-770
一連の研究から液体アンモニア中,芳香族化合物とNaSHとの反応では,求核置換反応および酸化還元反応が容易に起こることを知ったので,著者らの研究を芳香族ニトリルとNaSHとの反応に拡張した。液体アンモニア中ベンゾニトリルとNaSHおよびNH4C1との反応ではH2Sの付加と同様の付加が起こり,高収率でチオベンズアミドを与えた。一方,液体アンモニア中ベンゾニトリルと97%NaSHとの反応では,低収率でチオベンズアミドを与えるが68%NaSHとの反応ではチオベソズアミドは生成せず,ベンズアミドだけを選択的に生成する。また液体アンモニア中ベンゾニトリルとH2Oは反応しない。液体アンモニア中シアノフェノールおよびそのトシラートとNaSHおよびNH4Clとの反応では相当するチオアミドを得た。液体アンモニア中4-クロロベンゾニトリルとNaSHおよびNH4Clの反応では4-クロロチオベンズアミドと塩素原子が求核攻撃を受けた生成物を与えた。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。