抄録
アーク法で窒化アルミニウムを合成した。アルミニウム電極の冷却法を改良して,酸素含有量を0.82%まで減らすことができた。酸素は放射化分析で,主成分は化学分析で定量された。生成物を窒素気流中で加熱すれば,重量減少とともに酸素含有量の減少が起こり,1800℃で2.5時間の加熱では初期値の1/5まで減少した。格子定数は測定範囲内で酸素量によらず一定で,a=3.111,c=4.980であった。窒素気流中でのAINの熱分解速度が調べられ,見かけの活性化エネルギー127kcal/molが得られた。アーク炎のスペクトルが調べられたが,可視および紫外部では,AIN分子の存在を示すバンドシステム,あるいは帰属不明のスペクトルは見いだされなかった。
窒素圧と窒化アルミニウムの生成速度の関係が調べられ,1atmから3atmまでは窒素圧の増加にともない生成速度は増大するが,8atmを越えると減少に転ずることがわかった。