ブレンド加硫ゴムについて化学変化をともなった系での粘弾性的性質について検討した。一般に二成分ブレンドしたゴムは均一には分散せず,球状かまたは層状になり不均一系であることが知られている。なお,これらの系の物理的粘弾性についての報告は多いが化学的な構造変化をともなう場合の粘弾性的性質についてはほとんど研究されていない。このために著者らは化学レオロジー的手段を用いて,NR-SBRおよびNR-NBR系ブレンドゴムに関する研究を行なった。もっとも問題となることは,それらの二成分ブレンド試料を加硫すると,ホモポリマーの網目のほかに第三成分的性質を有すると考えられる共加硫の起こることである。
化学レオロジーの手段による実験結果からブレンドした加硫ゴム中にはかなり多くの共加硫成分の存在することがわかった。そしてブレンドすることによりもとのホモポリマーにくらべてエンタルピー弾性項がかなり減少した。
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