日本化学会誌(化学と工業化学)
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メチルキシレノールブルーによるランタノイドの吸光光度定量
上田 穣一
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1973 年 1973 巻 4 号 p. 724-728

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抄録

メチルキシレノールプルー(以下MXBと略記する)はランタノイド元素と反応して青紫色の水溶性錯体を生成する。これらの呈色溶液は波長568~576nmに最大吸収を示す。また,一定の吸光度を示すpH域は各元素によって異なり,pH 9.0~9.7(La)からpH 6.8~7.3(Lu)まで変化する。Sandellの表示法による各元素の定量感度は0.0037~0.0054ug/cm2の範囲内である。また,ランタノイド元素は臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTMAB)の存在でMXBと反応して,青色の水溶性錯体を生成する。これらの呈色溶液は波長630~650nmに最大吸収をもち,pH範囲約7~9で最高の発色を示す。Sandellの表示法による感度は0.0017~O.OO32 ug/cm2で, Beerの法則にはランタン,セリウム(III),プラセオジム,ネオジムは1.6ug/ml,その他の元素は2.0ug/mlまでしたがう。またプラセオジム,ガドリニウム,ルテチウムについて錯体の組成を検討した結果,金属:MXB:CTMAB=1:2:3と推定された。

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