日本化学会誌(化学と工業化学)
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ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるホルムアルデヒド水溶液中のポリメチレンオキシドオリゴマーのキャラクタリゼーション
柘植 盛男宮林 達也田中 誠之
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1973 年 1973 巻 5 号 p. 958-962

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抄録

ホルムアルデヒド水溶液中のホルムアルデヒドオリゴー,は溶媒で希釈すると解重合するが,水溶液よりテトラヒドロララソ溶媒中の方が溶媒和のため解重合速度がおそいと考えられることを利用して,ゲルバーミエーションクロマトグラフィーにより見かけの平均重合度および重合度分布測定法を検討した。低級ポリオキシメチレソグリコールおよび低級ポリヘミホルマールの各四丁体までの同族体のピーカウントにより作成した検量線を外挿して重合度測定用の検量線とした。この方法により水溶液中のホルムアルデヒドオリゴマーの見かけの平均重合度を測定した結果,Auerbachらの氷点降下法による見かけの平均重合度測定値よりやや小さい値を示し,また著者らの一入外吸収法による末端基定章法により求あた値も同様な傾向を示した。しかしながら本方法の再現性は変動係数にして5%以下と良好で,氷点降下法と近赤外吸取法による測定法がともにメタノールを含有する工業用ホルムアルデヒド溶液については適用できないのに対して本方法は適用できる利点がある。本方法により見かけの平均重合度のホルムアルデヒド濃度依存性,pH依存性の測定や市販ホルムアルデヒド溶液の保存性試験などが容易に行なえる。

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