日本化学会誌(化学と工業化学)
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(4E,6E)-および(4E,6Z)-アロオシメンとアクリル酸メチルとのDiels-Alder反応
松原 義治岸本 孝夫峰松 和作
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1973 年 1973 巻 5 号 p. 968-971

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抄録

アロオシメン[1]([la]と[lb]の混合物)とアクリル酸メチル[2]との付加反応について検討した。
付加体はガスクロマトグラムに4本のピークを示した。精留,溶出および分取ガスクロマトグラフィーを利用して各成分を分離し,主として核磁気共鳴スペクトルによって,t-2(2メチル1プロペニル)4, t-5-ジメチル-3-シクロヘギセソr-1カルボン酸メチル[3],オ2(2メチル1プロペニル)4, c-5ジメチル3シクロヘキセンr-1カルボソ酸メチル[4],c-2(2メチル1プロペニル)4, t-5ジメチル3シクロヘキセンr-1カルボン酸メチル[5],および2(2メチル1プnペニル)4, c-5ジメチル3シクロヘキセンr-1カルボン酸メチル[6]として,それぞれその構造を決定した。
アロオシメン(4E,6,E,一体[la]:4E,6Z一体[lb]=,35.,3:64,7の混合物)と[2]との付加反応においては,原料ジエソの約40%が消費されて,付加物[3],[4],[5]および(6)が28,2:1 8:3. 8:66.2の比で得られた。この場合,未反応油には[lb]のみが回収されて[la]の残存は認められなかった。したがって[la]の方が[lb]よりも反応性が大きいと考えられる。
[lb]と[2]の反応の場合にも[3]~[6]の付加物を生成し,その生成比は3,7;17,5:72,2:6.6であった。この場合,少量生成物の[3]と[6]は主生成物の異性化の結果ではなくて,[2]の存在下で[lb]が[la]に異性化したあと付加反応を起こして生じたものと考える。

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