1974 年 1974 巻 12 号 p. 2277-2282
多数のアミノニトリル,芳香族ニトリルおよび脂肪族ニトリルを硫酸酸性水溶液中でパラジウム黒陰極および水銀(あるいは鉛)陰極を用いて電解還元した。その結果,置換基の電子効果の寄与が大きく,パラジウム黒陰極では置換基の電子求引性が小さいほど,水銀(あるいは鉛)陰極では電子求引性が大きいほど還元効率が高くなることがわかった。また,芳香族および脂肪族ニトリルはいずれの陰極によっても4H還元されアミンを生成するのに対し,アミノニトリルはパラジウム黒陰極では2H還元,水銀(あるいは鉛)陰極では4H還元であった。これらの結果に基づいて還元機構について考察し,パラジウム黒陰極では電析水素による接触還元的要素の大きい機構を,また水銀(あるいは鉛)陰極では直接的な電子供与による電気化学的要素の大きい機構を推定した。
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