日本化学会誌(化学と工業化学)
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ホランダイト型酸化物焼結体(KxMxTi8-x,O16)(M=Al,Fe,Co,Cr)の生成とイオン導電性
高橋 武彦桑原 勝美青山 治義
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1974 年 1974 巻 12 号 p. 2291-2296

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抄録

ホランダイト型酸化物焼結体(KxMxTi8-x,O16)(M=Al,Fe,Co,Cr)のイオン導電性について研究した。これらの酸化物は正方格子をもち,c軸に沿ったトンネルを含んでいる。KxAlxTi8-xO16の場合,K2CO3,γ-A12O2-,TiO2,を950℃,10時間仮焼後1200℃,5時間本焼成したとき,良好な焼結体が得られた。粉末X線回折図,ケイ光X線分析および格子定数をもとに,KxAlxTi8-xO16の正方晶単一相組成領域を1.6≦x≦2.0と決定した。
径約11mm,厚さ2mmのタブレットを1.4≦x≦2.2の組成について調製した。試料の導電率を200℃から400℃の温度範囲で10kHz交流インピーダンスブリッジを用いて測定した。0.05mm厚の金板を電極として用いた。導電率は単一相のxの増加につれて10-5から10-3cm-3mho・cm-1へと増加した。直流分極曲線および電解前後のタブレットの重量変化の解析ならびにカソード生成物の定性分析により導電種はK+イオンであることが明らかとなった。KxMxTi8-x,O16(M=Al,Fe,Co,Cr)試料の導電率もKxMxTi8-x,O16の場合と同様に測定し,イオン,電子混合導電性であることを見いだした。ホランダイト型構造におけるK+イオン導電性について考察した。

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