日本化学会誌(化学と工業化学)
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固相アルミン酸ナトリウムと二酸化硫黄の反応
奥谷 猛古市 隆三郎石井 忠雄
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1974 年 1974 巻 12 号 p. 2303-2306

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抄録

複金属酸化物の一つであるアルミン酸ナトリウムとSO2の反応をガス流通系反応器で行なった。固体のアルミン酸ナトリウムは,NaOH溶液へ金属A1を溶解することにより,酸化ナトリウム比(Na20/Al02モル比)が0.5~3.0のアルミン酸ナトリウム溶液を調製し,これを蒸発乾固して調製した。アルミン酸ナトリウムとSO2の反応を330℃と130℃で行ない,反応挙動と反応機構を検討した。
過剰のナトリウム分を含む試料とSO2の反応において初期の反応速度は速く,この反応はアルミン酸ナトリウム中のNaOHとSO3の反応であり,この初期のSO2反応量と試料中のNaOH量とはほぼ直線関係にあった。一方,後期の反応速度は遅く,この反応はアルミン酸ナトリウム中のNa2Al2O2とSO2の反応であり,反応温度が高くなるほど速度が速くなった。
反応前後の試料のX線回折,IR分析の結果から,反応はつぎの四つの式で表わされるものと結論した。
2NaOH+SO2→Na2SO3+H20
Na2Al2O4+SO2→Na2SO8+NA2SO8+5NA2SO2+Al2O8
2Na2SO8+O2→2Na2SO4
Na2SO4において,Na2Al2O4の反応で生成したAl208には,Na2SO8の酸化を促進する作用が認められた。

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