日本化学会誌(化学と工業化学)
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ジアミノセルロースの調製およびその水溶液の電離性
西内 豊道勢川 慎一
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1974 年 1974 巻 12 号 p. 2435-2439

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抄録

塩基性のセルロース誘導体を調製する目的で,
セルロース原料-酸化-ジアルデヒドセルロース(DAC)
-オキシム化-ジオキシムセルロース(DOC)-還元-ジアミノセルース(DAmC)
の反応過程をとりあげ,その最適反応条件を検討し,つぎの結果を得た。
(1)HIO41390×-10molおよびCH3COONa1.575×10-2molを含む水溶液25mlに脱脂綿1gを浸漬し,8℃で14日間暗所で酸化しDACを調製する。
(2)DAC1gをNH20H,HCIの1.5mol水溶液120ml中で5。Cに15時間反応させDOCを調製する。
(3)DOC2gを0,05molのNaBH4を含むメタノール溶液100ml中で10℃に2時間還元する操作を2回くり返し,DAmCを調製する。
つぎに生成DAmC水溶液の電離性について検討し,塩基性高分子水溶液の電離に関する式pH=pK+nlog{(1-α)/α}(ただし,Kは電離平衡定数,αは電離度であるが中和度とみなす)は0.1N塩酸による中和度約27%以上でよく適合し,かつ25℃で定数n=1.55,K=4.68×10-8であることを認めた,またDAmC水溶液濃度とpHとの関係から,その高分子電解質としての挙動を考察した。さらにDAmC中の一部のNH3基のHをCH3基で置換し,その塩酸による中和滴定曲線を求め検討した。

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