日本化学会誌(化学と工業化学)
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メチルキシレノールブルーによるアルミニウムおよびベリリウムの吸光光度定量
上田 穣一
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1974 年 1974 巻 2 号 p. 273-279

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抄録

メチルキシレノールブルー(MXB)はアルミニウムまたはベリリウムと反応して,赤紫色または赤色の水溶栓錯体を生成する。各呈色溶液はそれぞれ,pH 2 2~2 5,波長578~583 nmおよびpH 5 9~6.5,波長513~517nmにおいて一定最大の吸光度を示す。検量線はアルミニウム濃度8~35μ9/25mlの範囲で,またベリリウムの場合は10μ9!25 mlまで直線性を示し,吸光度0.001に対する感度はアルミニウム濃度20μ9/25mzにおいて。 oo16μ9/cm2であり ベリリウムの場合は,ooo8 lzglcmsである。また,アルミニウム錯体およびベリリウム錯体の組成比をそれぞれpH 2.4およびpH 6.0で検討した結果,いずれめ場合も1:1と推定された。共存イオンについては,アルミニウムの定量に対し,ガリウム塾インジウム,ビスス(III),スカンジウム,トリウム,フヅ化物イオン,シュウ酸イオンが妨害し,ベリリウムの定量に対し,アルミニウム,トリウム,クロム(III),フッ化物イオンが妨害する。なお,アルミニウムとベリリウムを同時に含む溶液について,おのおのを逐次定量する方法を検討した。

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