日本化学会誌(化学と工業化学)
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モリブデン青生成の反応速度の差を利用ずるゲルマニウム(IV)とケイ素(IV)同時吸光光度定量
米窪 達雄永長 幸雄中東 祥好
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1974 年 1974 巻 2 号 p. 269-273

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抄録

ゲノマノモリブデン酸およびケイモリブデン酸はL-アコレビン酸を用いて還元するそれぞれのモリブデン青を生成するが,その生成反応速度にはかな砂の華があることを見いだしたのでこれを利用.してゲルマニウム(W)とケイ素(N)の同時定量を試みた。まず一定の実験条件下において両元素のモブデン青生成反応の初速度を測定したところ,ゲルマニウムの場合の方がケイ素の場合よりもかなり小さく,また反応の初速度が両元素の初濃度に比例することがわかった。さらに両元素についての初速.度および反応終了後の溶液の吸光度にそれぞれ加成牲が成立するとして両元素の同時定量式を求め,これを用いて0.5~2.5μ9/mlのゲルマニウム(N)と0.04~020μ91mZのケイ素(N)を含む混合物の分析を行なbたところ満足すべき結果を得た。ただし銀,鉄(皿),バナジウム(V),銅(H),リン(V)およびヒ素(V)などのイオンはいちじるしく定量を妨害した。
なお,0.12~0.80μ9/mlのケイ素(V)nyの定量がO. 01 Pt9/mlのゲルマニウム(N)の共存においても,反応の初速度を測定するだけで可能であった。

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