日本化学会誌(化学と工業化学)
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加熱処理による沈殿四酸化三鉄の構造変化
藤井 知杉江 他曾宏村長 潔
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1974 年 1974 巻 5 号 p. 867-873

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抄録

硫酸鉄(II)と硫酸クロム(III)混合水溶液に水酸化カリウム溶液を加えて生成した水酸化鉄(II)を空気酸化して析出する四酸化三鉄を乾燥後,真空(10-5Torr)およびH2-H20混合ガス(H20/H2=2)の雰囲気下,200~500℃で加熱処理を行ない,粒子径,表面積および細孔構造(分布,細孔径,全細孔容積)の変化について,X線回折,電子顕微鏡ガス吸着により検討した。その結果,つぎのことが認められた。
まず,四酸化三鉄沈殿を生成するさいは,クロム(III)を増加すると四酸化三鉄粒子の成長を抑制し,表面積をいちじるしく増大させた。
沈殿物の加熱処理によって,1)四酸化三鉄の粒成長は400℃以上の温度でわずかに起こった。2)加熱にともなって含水量,表面積,細孔構造に変化が起こった。表面積は300℃までの温度で加熱脱水により増加するが,それ以上に加熱するとシンタリソグにより減少した。3)粒子径,表面積,細孔構造の変化は加熱雰囲気にも影響された。

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