日本化学会誌(化学と工業化学)
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ク形波電流によるN-ビニルカルバゾールの重合
菊池 康男上山 忠利
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1974 年 1974 巻 5 号 p. 981-984

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抄録

N-ビニルカルバゾールは,支持塩として過塩素酸リチウムを用いたとき,多くの溶媒を用いてク形波電流による電解の結果,無水酢酸およびアセトニトリル溶媒で重合することを見いだした。ク形波電流を用いた場合の生成ポリマーの分子量は直流によるそれにくらべて高く,またその着色は薄かった。この重合反応はラジカル禁止剤の添加および共重合の結果からカチオン機構と推定した。過塩素酸リチウムを含むおのおのの溶液の電解を行なった陽極液は長時間重合活性であった。無水酢酸溶液での生成ポリマーにアシル基,アセチル基が存在し,この存在するアシル基,アセチル基は直流によるそれとくらべて多かった。アセトニトリル溶液中での生成ポリマーは,普通の重合法による生成ポリマーと類似の構造であり,わずかにC=Cが存在した。

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